2014年10月20日月曜日

二十五弦箏コンサート


 18日は、佐藤康子さんの二十五弦箏コンサートでした。場所は本郷にある、求道会館。
東京都の指定文化財にもなっている仏教の教会堂です。立派な東京大学の塀と赤門を横目でみながら少し歩いて右折した小道のつきあたりに、その建物はありました。ぞろぞろ人が入っていく様子に、近所の人が不思議そうに「今日は何かあるのですか?」と二回ほど(笑)・・・普段は静かな通りに、ひととき活気が生まれているのを感じました。

オペラシティ近江楽堂、神楽坂の音楽の友ホール 、自由学園明日館ホール、毎年の会場選びからも佐藤さんの人柄と強い個性が感じられます。今年も趣のある素敵な会場でした。

>>私も箏を弾き始めるまでの時間が短くなってきました。
背に腹は代えられないということもありますが、実際に弾き始めてから聞こえる「違う違う」という何万回もの心の声が減ってきたのです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(略)
気がついたらそれを長くやっているというのは、身体がその良さを知らせてくれていることでもあるのかもしれませんね。 (ブログより)
>>
期待どおりでした(笑)演奏はどれもよかったけれど、大昔に日本にいた蜘蛛族と呼ばれ殺された先住民をイメージしながら作曲したという「嗟嘆(サタン)」、後半の「五つの小品~鏑木によせて~」が特に心に残りました。3月にブログで綴っている最終曲の伊良部昭氏の「胡哦(コガ)」は、その想いを知ってちょっと涙が出そうでした。

時間ぎりぎりになってしまい、二階席にしか入れなかったのですが、上からみると二十五弦箏の大きさと美しさ、指使いが良く見えてかえってよかったようにも感じました。44個の焼き物とホウキ草も秋の夜に聴く箏の世界にぴたり。落ち着く空間で、静かにその美しい音色を聴きながら、音楽なのに語りを聞いているような錯覚を覚えました。

夜も眠れず、前日も吐いてしまったという体調の悪さは、その表情からも進行するなめらかな口調からも全くわかりませんでした。
どんなことでも、こだわって自分の世界観を追及する思いの強さと、同時に自分を客観視して周りを気づかう優しさとが、人をひきこみ心地よくさせるのかもしれません。

たくさんの人の心をつかみ、来年からチケットとれなくなったらどうしよう・・・康子さんのらしさがいっぱい詰まった、本当に素敵なリサイタルでした。
お疲れさまでした☆






ゴロゴロゴロ・・・が44個。


人の毛細血管に似てる?・・・ホウキ草



※佐藤康子ウェブサイト
http://satoyasuko-koto.com/