2014年12月14日日曜日

科学絵本の楽しみ方


高柳 芳恵氏の「科学絵本の楽しみ方と活用法」という講座に出席しました。
高柳さんは、科学絵本・読み物の作家でもあり、長くボランティアとしても活動されている方です。子ども向け、かがくの絵本は生活に密着していて、大人にとっても見えていなかった気づきを刺激してくれる楽しい読み物。(子どもと一緒だとなお楽しい!)

近年は、肉眼で見えないものまで綺麗に映し出してくれている写真絵本がたくさん出版されていますが、まず写真ありきの写真絵本より、伝えたいことありきで書かれた絵の本の方が、果たす役割が大きいように思う。写真絵本は絵の本の補足として、うまく組み合わせて活用するのがベストではないかとのお話でした。そして子どもたちに読む時には、できるだけ実物を持っていってみせてあげる。絵本に真実のことが書いてあると思えば、子どもの眼は俄然違ってくる。たくさんのかがく絵本を片手に、いろいろな組み合わせ方、見せ方を紹介していただきました。


『びっくりまつぼっくり』
福音館書店
松ぼっくりって何か知ってますか?
松の花をみたことある人は?
松ぼっくりはどれぐらいの年月でできるものでしょうか?
松ぼっくりには何が入っているでしょう?
種をみたことがありますか?

11月にある場所で立派な松ぼっくりを拾ってきた私は、クリスマスに装飾して飾ろうかなと思ってワクワクしていましたが、先生の質問に何も答えられないことに愕然としました;;

球果である松ぼっくりは、花が咲いてから松ぼっくりとなるまで3年もかかる。時間をかけて大きくなった松ぼっくりは、晴れて乾燥している日に、松かさを開き下に落ちる。落ちたての松ぼっくりを拾うと、まだ残っている種がクルクル舞うのだそうです。(種の落ちる様子を実際みせていただきました。)

「夜中に、カチンカチンと音がするのでなんだろうと思ったら、種が入って閉じている松ぼっくりの松かさが一枚一枚ひらく音でした。カチンカチンカチン。。。その音を聞くのが楽しくてその夜はずっと耳を澄ませていました・・。外でも耳を澄ませば春の音が聞こえてくるかもしれませんね・・・ 」  カチンカチンの春の音....来年は聴いてみたいな。

 長く時間がたったものでも、水にしばらくつけておくと
閉じるというのでやってみました。
カチンカチンという音は聞けないけれど・・・
乾くとまた開いてきます。

そして、どんぐりの話。先生は『どんぐりをおとしたのだれ?』(福音館こどものとも)という絵本を書かれています。たくさん落ちているどんぐりのなかでも、葉っぱと枝がついたどんぐりがあることに気がつき、またその切り口がきれいなことに注目。家に持ち帰って、どんぐりをあけ中の幼虫を空き瓶で育て観察。その虫はゾウムシによく似たハイイロチョッキリという甲虫でした。成虫になって卵を産み、どんぐりの枝を切り落とす虫だったのです。。。。ハイイロチョッキリが枝を切り落とす瞬間を見ることができたときは、本当に嬉しくてねえ~と話す先生の笑顔、とっても素敵でした。絵本はそれをまとめたもの。それにしてもカワイイ名前。ハイイロチョッキリ。



見えているようでみえていないみぢかな生きものたちの生態。
自分の眼で確かめないと気がすまない先生はまるで、女ファーブル博士ののようだなと
思ったけど、先生の著作本『どんぐりの穴のひみつ』(偕成社)を読んでさらにびっくり。
ファーブル博士も気づかなかった、他のどの本にも書かれていないどんぐりへの産卵方法を発見されていました。それはまだどんぐりが未熟な時にだけ可能な産卵法でした。
8年の歳月をかけて どんぐりの穴を観察しつづけ、どんぐりの穴には13種類あって、利用する虫は16虫あることをまとめています。スゴイ・・・





『さくら』
福音館書店
さくらの花についてもすこし。桜の花の蜜を吸ったことありますか?ツツジほどではないけど、ほんのり甘くて美味しいのだそうです。
『さくら』(福音館書店)の絵本に何気なく描きこまれている花とヒヨドリとスズメ、葉っぱと蟻。桜の花には蜜があってそれを吸いにくるのですが、鳥のくちばしの形によって吸い方が違う。
ヒヨドリはくちばしが細いので花の正面から、スズメは太いので花の後ろのガクをちぎって吸います。(絵本の文章には説明らしくは書かれていませんが、正しく吸う鳥の姿が描きこまれています。)
だからガクごと落ちている桜の花。。あれはスズメの仕業ですよ。あと花びらは、落ちてからピンクが濃くなります。(絵本の絵もそうなっていました。)
蟻は桜の葉っぱの蜜腺を吸うのだそうです。桜の葉っぱを持参して、葉っぱの根元に小さなマルポチ(蜜腺)が二つあるのをみせてくれました。

ぞうの話は時間切れでしたが、かまきりの絵本、かなへびの絵本もとりあげてくれて、知ってることも知らないこともひっくるめて、生きものの話満載。ただただ楽しくてあっという間の2時間。まだまだ聴きたかった。先生の無尽蔵の引き出し、興味はつきません。

講座終了後...思い切ってお願いしてみたら、幸せなことに・・・・
来春、近所のもえぎ野ふれあい樹林と公園を、先生と一緒に散策するという夢のような企画が、図書ボラメンバーで叶うこととなりました。やったー!

ここ数日、寒くて寒くて寒くて。。これからが冬本番という気持ちだけど、
今からもう春が待ち遠しい。




キズをつけると黒くなる葉っぱ。タラヨウ・アオキ
楊子などでさっとなぞるだけで黒い字が浮かび上がります。
昔、葉っぱに手紙を書いたとか経文を書いたとか。。。これがほんとの葉ガキ?
タラヨウは郵便局やお寺にあるそうです。





※高柳 芳恵氏の著作本
絵本『どんぐりをおとしたのだれ?』 (福音館書店)
絵本『ゆうぐれのさんぽ』(ちいさなかがくのとも 福音館書店)
  ・・・全ページ寺家ふるさと村の風景を観察した絵本です。
『どんぐりの穴のひみつ』(偕成社)
 『葉の裏で冬を生きぬくチョウ』(偕成社)


※もえぎ野Web文庫ホームページ 

















陶の灯りとうつわ



今年もあと半月。日がたつのが早いです・・・

先月、喜寄窯さんの工房で、奥に閉まってあったのを
無理を言って引っ張り出し見せてもらった、陶の灯り。
思った以上に素敵で、惚れ込んでしまいました。

表面は、美穂さんが丹念に掘り込んだ総模様。
ペイズリー柄と正円のもの2つと少し大きめの渦巻模様のもの1つ。
光をいれると光り方も微妙に違います。
一番大きいのは、光をともすと大小の円が放射状に広がって、壁や床に映る影がとても素敵です。

HP用ということで、3つ借りて、自宅で撮影させてもらいました。
家にこんなぬくもりのある灯りがあったら癒されるなぁ...。
オブジェとしても雰囲気があります。
この焼き色はその時々で違ってくるということで、手書きの模様同様にもう一度作っても同じものができるとは限らないそうです。
美穂さんの思い入れが伝わってくる素敵な作品。



模様が放射状に広がるのと広がらないのとの作りの違いはどこにあるのかな?



喜寄窯さんのうつわ。
丈夫で、手にしっくりと馴染む丁寧な作り。
温かみがあって、いつものごはんが美味しくなります。
毎日大活躍☆ 
  




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キヨリガマ陶芸体験・・いよいよ完成しました☆
焼き上がりがBell tree Houseさんに届いていたので、受け取ってきました。
いびつだけど...ちゃんと使えそうでよかった(笑)



お店でお客様待ちしてたBell tree Houseさんのクリスマスアレンジメント。とっても素敵でした♪





喜寄窯さんのHP、灯りが仲間入りして少しだけリニューアルしました。
器は、Bell tree House さんで常設販売されていますが、(現在は年末の為、お休み)
掲載品はHPからも購入可能です。お気軽にお問合せください☆

※喜寄窯ホームページ