2014年12月14日日曜日

科学絵本の楽しみ方


高柳 芳恵氏の「科学絵本の楽しみ方と活用法」という講座に出席しました。
高柳さんは、科学絵本・読み物の作家でもあり、長くボランティアとしても活動されている方です。子ども向け、かがくの絵本は生活に密着していて、大人にとっても見えていなかった気づきを刺激してくれる楽しい読み物。(子どもと一緒だとなお楽しい!)

近年は、肉眼で見えないものまで綺麗に映し出してくれている写真絵本がたくさん出版されていますが、まず写真ありきの写真絵本より、伝えたいことありきで書かれた絵の本の方が、果たす役割が大きいように思う。写真絵本は絵の本の補足として、うまく組み合わせて活用するのがベストではないかとのお話でした。そして子どもたちに読む時には、できるだけ実物を持っていってみせてあげる。絵本に真実のことが書いてあると思えば、子どもの眼は俄然違ってくる。たくさんのかがく絵本を片手に、いろいろな組み合わせ方、見せ方を紹介していただきました。


『びっくりまつぼっくり』
福音館書店
松ぼっくりって何か知ってますか?
松の花をみたことある人は?
松ぼっくりはどれぐらいの年月でできるものでしょうか?
松ぼっくりには何が入っているでしょう?
種をみたことがありますか?

11月にある場所で立派な松ぼっくりを拾ってきた私は、クリスマスに装飾して飾ろうかなと思ってワクワクしていましたが、先生の質問に何も答えられないことに愕然としました;;

球果である松ぼっくりは、花が咲いてから松ぼっくりとなるまで3年もかかる。時間をかけて大きくなった松ぼっくりは、晴れて乾燥している日に、松かさを開き下に落ちる。落ちたての松ぼっくりを拾うと、まだ残っている種がクルクル舞うのだそうです。(種の落ちる様子を実際みせていただきました。)

「夜中に、カチンカチンと音がするのでなんだろうと思ったら、種が入って閉じている松ぼっくりの松かさが一枚一枚ひらく音でした。カチンカチンカチン。。。その音を聞くのが楽しくてその夜はずっと耳を澄ませていました・・。外でも耳を澄ませば春の音が聞こえてくるかもしれませんね・・・ 」  カチンカチンの春の音....来年は聴いてみたいな。

 長く時間がたったものでも、水にしばらくつけておくと
閉じるというのでやってみました。
カチンカチンという音は聞けないけれど・・・
乾くとまた開いてきます。

そして、どんぐりの話。先生は『どんぐりをおとしたのだれ?』(福音館こどものとも)という絵本を書かれています。たくさん落ちているどんぐりのなかでも、葉っぱと枝がついたどんぐりがあることに気がつき、またその切り口がきれいなことに注目。家に持ち帰って、どんぐりをあけ中の幼虫を空き瓶で育て観察。その虫はゾウムシによく似たハイイロチョッキリという甲虫でした。成虫になって卵を産み、どんぐりの枝を切り落とす虫だったのです。。。。ハイイロチョッキリが枝を切り落とす瞬間を見ることができたときは、本当に嬉しくてねえ~と話す先生の笑顔、とっても素敵でした。絵本はそれをまとめたもの。それにしてもカワイイ名前。ハイイロチョッキリ。



見えているようでみえていないみぢかな生きものたちの生態。
自分の眼で確かめないと気がすまない先生はまるで、女ファーブル博士ののようだなと
思ったけど、先生の著作本『どんぐりの穴のひみつ』(偕成社)を読んでさらにびっくり。
ファーブル博士も気づかなかった、他のどの本にも書かれていないどんぐりへの産卵方法を発見されていました。それはまだどんぐりが未熟な時にだけ可能な産卵法でした。
8年の歳月をかけて どんぐりの穴を観察しつづけ、どんぐりの穴には13種類あって、利用する虫は16虫あることをまとめています。スゴイ・・・





『さくら』
福音館書店
さくらの花についてもすこし。桜の花の蜜を吸ったことありますか?ツツジほどではないけど、ほんのり甘くて美味しいのだそうです。
『さくら』(福音館書店)の絵本に何気なく描きこまれている花とヒヨドリとスズメ、葉っぱと蟻。桜の花には蜜があってそれを吸いにくるのですが、鳥のくちばしの形によって吸い方が違う。
ヒヨドリはくちばしが細いので花の正面から、スズメは太いので花の後ろのガクをちぎって吸います。(絵本の文章には説明らしくは書かれていませんが、正しく吸う鳥の姿が描きこまれています。)
だからガクごと落ちている桜の花。。あれはスズメの仕業ですよ。あと花びらは、落ちてからピンクが濃くなります。(絵本の絵もそうなっていました。)
蟻は桜の葉っぱの蜜腺を吸うのだそうです。桜の葉っぱを持参して、葉っぱの根元に小さなマルポチ(蜜腺)が二つあるのをみせてくれました。

ぞうの話は時間切れでしたが、かまきりの絵本、かなへびの絵本もとりあげてくれて、知ってることも知らないこともひっくるめて、生きものの話満載。ただただ楽しくてあっという間の2時間。まだまだ聴きたかった。先生の無尽蔵の引き出し、興味はつきません。

講座終了後...思い切ってお願いしてみたら、幸せなことに・・・・
来春、近所のもえぎ野ふれあい樹林と公園を、先生と一緒に散策するという夢のような企画が、図書ボラメンバーで叶うこととなりました。やったー!

ここ数日、寒くて寒くて寒くて。。これからが冬本番という気持ちだけど、
今からもう春が待ち遠しい。




キズをつけると黒くなる葉っぱ。タラヨウ・アオキ
楊子などでさっとなぞるだけで黒い字が浮かび上がります。
昔、葉っぱに手紙を書いたとか経文を書いたとか。。。これがほんとの葉ガキ?
タラヨウは郵便局やお寺にあるそうです。





※高柳 芳恵氏の著作本
絵本『どんぐりをおとしたのだれ?』 (福音館書店)
絵本『ゆうぐれのさんぽ』(ちいさなかがくのとも 福音館書店)
  ・・・全ページ寺家ふるさと村の風景を観察した絵本です。
『どんぐりの穴のひみつ』(偕成社)
 『葉の裏で冬を生きぬくチョウ』(偕成社)


※もえぎ野Web文庫ホームページ 

















陶の灯りとうつわ



今年もあと半月。日がたつのが早いです・・・

先月、喜寄窯さんの工房で、奥に閉まってあったのを
無理を言って引っ張り出し見せてもらった、陶の灯り。
思った以上に素敵で、惚れ込んでしまいました。

表面は、美穂さんが丹念に掘り込んだ総模様。
ペイズリー柄と正円のもの2つと少し大きめの渦巻模様のもの1つ。
光をいれると光り方も微妙に違います。
一番大きいのは、光をともすと大小の円が放射状に広がって、壁や床に映る影がとても素敵です。

HP用ということで、3つ借りて、自宅で撮影させてもらいました。
家にこんなぬくもりのある灯りがあったら癒されるなぁ...。
オブジェとしても雰囲気があります。
この焼き色はその時々で違ってくるということで、手書きの模様同様にもう一度作っても同じものができるとは限らないそうです。
美穂さんの思い入れが伝わってくる素敵な作品。



模様が放射状に広がるのと広がらないのとの作りの違いはどこにあるのかな?



喜寄窯さんのうつわ。
丈夫で、手にしっくりと馴染む丁寧な作り。
温かみがあって、いつものごはんが美味しくなります。
毎日大活躍☆ 
  




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キヨリガマ陶芸体験・・いよいよ完成しました☆
焼き上がりがBell tree Houseさんに届いていたので、受け取ってきました。
いびつだけど...ちゃんと使えそうでよかった(笑)



お店でお客様待ちしてたBell tree Houseさんのクリスマスアレンジメント。とっても素敵でした♪





喜寄窯さんのHP、灯りが仲間入りして少しだけリニューアルしました。
器は、Bell tree House さんで常設販売されていますが、(現在は年末の為、お休み)
掲載品はHPからも購入可能です。お気軽にお問合せください☆

※喜寄窯ホームページ






2014年11月20日木曜日

17歳の「るつぼ」

いよいよ冬のはじまり・・
ぬくもりが恋しい季節です。

先週、劇団BDPの「彼女たち」というお芝居を観てきました。演劇部でアーサー・ミラーの「るつぼ」を演じることになった高校生たち。戯曲のなかの少女たちの悪意に呼応するように演劇部内でネットによるいじめが広がっていく...
「るつぼ」は1692年アメリカ、マサチューセッツ州セイラムの町で実際に起こった魔女裁判を題材にした戯曲で、17歳の少女たちの言動が魔女狩りを助長し、町を混乱に陥れていくというストーリーです。

17歳という年齢のもつ理由のない苛立ちとエネルギー...難しいテーマをどのように扱うのか興味がありましたが、「るつぼ」の解説と舞台稽古を織り交ぜながら、現高校生の演劇部の日常を並行して映し出す演出が、親世代からみると軽くなりがちな高校生コトバに、深みを与えていました。ちょっとしたムカつきは、リアルタイムで解決せず、時間がたってから匿名でネットに拡散。ゲームは当事者を自殺寸前まで追い込みます。そして標的は少々ずれた同級生から、いつも正しいウザい教師へ・・
周囲の大人の愛情は通じないのか。ひとり、ネット参加しない強烈な個性を持つ転校生がからみ、稽古で劇中の集団ヒステリーを体験するうちに、次第に変化していく「彼女たち」。最終的には彼女自身の力によって成長していく姿が描かれます。脚本は嶽本あゆ美さん。出演する高校生たちは、ほとんど小学生から児童劇団でキャリアを積んできた、現役の高校生です。

主役の転校生役、吉田香奈子さんは現役の高校2年生。一見線が細そうなのに、演技に入るととてもパワーがありました。最後に力のあるアビゲイルのセリフで終わるのもよかった。みな、難解な高校生コトバをこなし(現役だけど。。笑)後半に進むごとに学校の雰囲気、生徒同士のやりとりがリアルになってきて面白かったです。
 
同年代の子どもがいますが、子育ては親の方も自分の十代を思い出しながらの試行錯誤。ネットという怪物を簡単に操れる環境下の青春は、自分のそれとまるで違う気がして、戸惑いも多いです。
親を完全でないと悟るのが思春期だから、表面的にえらそうなことを言ってもスルーです。
人生経験も浅く、甘ったれて生きている彼・彼女たちも、大人を見る目はとても鋭い。
ずるい大人か否か。愛情があるか否かに関しては、とても感度の良いアンテナをいつもピンとたてているようです。
 ぼっちになりたくない・・・劇中でもそのセリフを何度も耳にしました。
自分の耳目で立てる大人を目指せたら、そんな恐怖から解き放たれるのに。。。
人のせいにするのが得意な思春期は、それを自分で気づかないと生きづらい年頃です。意外に大人は手を貸せなくて、ただじっと見守ることしかできないと実感していますが。。
舞台では最後に、一見無力にみえた大人たちが、ユーモラスに登場して生徒を囲み、温かい雰囲気に包まれます。


 
仲間外れって、小さい子ども社会にもあるもの..。
小さいときには、友達や大人がやってあげられることがたくさんあります。
ロジャー・デュボワザンの 『 みんなのベロニカ 』
10歳ぐらいまでの子ども向けの本ですが、恥ずかしいほど現実の社会の有り様が描かれ、
人の気持ちの醜さと愛らしさが交錯する絵本です。
小さいときに、愛らしいベロニカを通して感じて、経験しておくことも大切かもしれません。
レオ・レオ二の 『チ コと金色のつばさ 』 も外れる話ですが、
こちらはもう少し複雑に自ら変わっていくことの尊さが描かれ、
大人にもしみじみと響きます。画がまたとても美しい絵本です。
 


原作の題名、「るつぼ」というのは、さまざまなものが混ざり合って渦巻いているという意味の他に、「厳しい試練」という意味もあるそうです。
ある力によって、事実が歪められ、異端者にされてしまう不条理。歪められた事実の正当性はどうしたらわかってもらえるのか?原作「るつぼ」で、主役のジョン・プロクターは、最後の最後に名をとって死を選びます。時代や宗教的な背景の違いがあるにしろ、現代でも、大人になってから選択する道は、自分の価値観をもって、自分で決めるしかありません。

招待していただいた演劇で、思いがけず過去のいろいろを思い出し、振り返ることが出来ました。
まだまだいろいろあるかしら。。。; 
頑張れ、17歳。



B-プロに登録する子ども達も、60名を超えました。
 HPは来年1~2月リニューアル予定です☆
※BDP企画ホームページ
http://bdp-project.com/



                                       







 

2014年11月6日木曜日

オレゴン産モミのリース


毎年ギャラリーリンデンさんに素敵なフレッシュのリースがかかっているなぁ~と思っていたのですが、それがBell tree Houseさんのクリスマスリースでした。

国産のモミ枝を使ったものだと、霧吹きしたり定期的に水につけるなどしないと、枯れて葉が抜け落ちてしまうそうですが、オレゴン産のモミは、逆に霧吹きなど絶対しないで、ほったらかしがいいそうです。そしてこのまま乾燥させると、色がブルーグリーンからシルバーグレーに変わっていき、1年後には綺麗なブラウン色になります。

11月下旬から飾っても、じゅうぶんクリスマスの頃まで綺麗。色が変化しても来年、再来年まで違う風合いを楽しめる立派なリースです。

フェイクと違うのはやっぱり香り。森林の香りが部屋じゅうに広がって、深呼吸がしたくなって年末に向けて、さぁと気持ちが引き締まります。。。うちのは1年たっているけど、まだほんのり香りが続いています。

クリスマスツリーも日本では本物を飾る人は少ないと思いますが、海外の絵本では、クリスマスに本物のモミの木を家にかついでもってくるお父さんがよく登場し、その豊かさに憧れてしまいます。

大好きな絵本『ちいさなもみのき』
じぶんのそばにきてくれる、いきた、みどりのきがほしい..と願う、いちども森にいったことのない足の悪いちいさな男の子。
お父さんが森からちいさなモミの木を根っこごと運んできて、男の子の部屋に飾ります。

おとこのこのへやのなかで、ちいさなもみのきは、みどりにしげり、よいかおりをはなち、
あたたかくすごしました。

春になるとまた森に植えられ、そしてまた次の年も・・・
小さなもみの木と一緒に成長する男の子の心温まるお話です。





私は昨年初めて注文しましたが、思った以上に素敵で感激しました。うちではもう一年、色が変わったリースをたのしめそうなので、今年は贈答用にひとつ、お願いしました。


昨年買ったリース。昨年は家の中に飾ったけど、今年は外で。
1年たっても十分キレイ!



人気商品で、ご近所でも贈答用にいくつか注文される方がいます。
お花屋さん一人の手作業なので、50個が限界のようです。
リボンやコットンは色を選べます☆



*Bell tree House ホームページ
http://www.belltree-house.com/



2014年11月1日土曜日

手織りのストール


11月になりました。
例年より暖かい気温が続いていますが
朝晩は冷えて、毛糸モノが恋しい季節。
  
空気を含んでふんわりした
シルクカシミアのストール。
贅沢だけど・・・・・
一度使うと手放せない気持ちよさです。
ぐるっとまいても結べるたっぷりの長さ
首が短い私にとても重宝(笑)

三加さんの織ったストールをまくだけで
華やいだ気持ちになるから不思議です...

 
 
2013年11月青山のギャラリーにて林三加作品展
Winter Rainbow
 ~虹いろのテキスタイル~vol.2
昨年の作品展はすべて完売。
多忙の為、注文もストップしているのが残念...
また来年楽しみに。。
 

先月結婚した三加さん、
突然のお知らせ、本当にびっくりでした!
ご結婚おめでとうございます☆
もともと幸せオーラいっぱいだけど(笑)
これからもお幸せに(*˘︶˘*).。.:*
  


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陶芸体験つづき。。。
10月29日に、喜寄窯さんで釉薬をかけさせてもらいました。
3本指で器を持ち、そのままさかさまにして薬をかけるという作業。
落っことしそうで、難しかった。
しっかり指跡がついてしまいました;(右端)
この釉薬、冬は本当に冷たくなってつらいのだそうです。



 あとはおまかせ。本焼きは11月~12月頃。
 
 
三加さんのお祝いに
美穂さんが焼いたケーキいただきました!
幸せのおすそ分け美味しかった~。
 美穂先生、ありがとうございました。
何はともあれ(笑)、焼き上がりが楽しみです☆




新作バッグも掲載してます。
※手織り工房 fil de ange ホームページ
http://fildeange.com/

 
 


 
 

2014年10月20日月曜日

二十五弦箏コンサート


 18日は、佐藤康子さんの二十五弦箏コンサートでした。場所は本郷にある、求道会館。
東京都の指定文化財にもなっている仏教の教会堂です。立派な東京大学の塀と赤門を横目でみながら少し歩いて右折した小道のつきあたりに、その建物はありました。ぞろぞろ人が入っていく様子に、近所の人が不思議そうに「今日は何かあるのですか?」と二回ほど(笑)・・・普段は静かな通りに、ひととき活気が生まれているのを感じました。

オペラシティ近江楽堂、神楽坂の音楽の友ホール 、自由学園明日館ホール、毎年の会場選びからも佐藤さんの人柄と強い個性が感じられます。今年も趣のある素敵な会場でした。

>>私も箏を弾き始めるまでの時間が短くなってきました。
背に腹は代えられないということもありますが、実際に弾き始めてから聞こえる「違う違う」という何万回もの心の声が減ってきたのです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(略)
気がついたらそれを長くやっているというのは、身体がその良さを知らせてくれていることでもあるのかもしれませんね。 (ブログより)
>>
期待どおりでした(笑)演奏はどれもよかったけれど、大昔に日本にいた蜘蛛族と呼ばれ殺された先住民をイメージしながら作曲したという「嗟嘆(サタン)」、後半の「五つの小品~鏑木によせて~」が特に心に残りました。3月にブログで綴っている最終曲の伊良部昭氏の「胡哦(コガ)」は、その想いを知ってちょっと涙が出そうでした。

時間ぎりぎりになってしまい、二階席にしか入れなかったのですが、上からみると二十五弦箏の大きさと美しさ、指使いが良く見えてかえってよかったようにも感じました。44個の焼き物とホウキ草も秋の夜に聴く箏の世界にぴたり。落ち着く空間で、静かにその美しい音色を聴きながら、音楽なのに語りを聞いているような錯覚を覚えました。

夜も眠れず、前日も吐いてしまったという体調の悪さは、その表情からも進行するなめらかな口調からも全くわかりませんでした。
どんなことでも、こだわって自分の世界観を追及する思いの強さと、同時に自分を客観視して周りを気づかう優しさとが、人をひきこみ心地よくさせるのかもしれません。

たくさんの人の心をつかみ、来年からチケットとれなくなったらどうしよう・・・康子さんのらしさがいっぱい詰まった、本当に素敵なリサイタルでした。
お疲れさまでした☆






ゴロゴロゴロ・・・が44個。


人の毛細血管に似てる?・・・ホウキ草



※佐藤康子ウェブサイト
http://satoyasuko-koto.com/












2014年10月13日月曜日

家事は奥の深い仕事。


また大型の台風が近づいています。
先週の台風では、満開で香りをいっぱいに届けてくれていた金木犀の花がすべて落ちてしまい、階段いっぱいに散乱した花と、街路樹の葉っぱと折れた枝の掃除に、丸1時間かかりました;
もう花はありませんが、今回もきっとまた・・・・
覚悟しなくては。


さて、先月超特急で頼まれた、ミセスモップのホームページが完成しました☆
ミセスモップは横浜市青葉区あざみ野を拠点とする、家事代行サービス会社です。2006年に高校の同級生が立ち上げた会社です。

社長の小山友里さんは、クラスも違ったので遠くからみていただけでしたが、当時からさっぱりして頼りにされる人気者でした。女子校です(笑)
起業していると聞いたとき、なんだか妙に納得したのでした。人が集まる人、この人のために働こうと思わせる魅力のある人。。。素朴で温かい視線をもつ笑顔が素敵な女性です。

連絡をもらったのは9月も後半。10月より大手ミッシェルの傘下から独立して、ロゴも新しくしたので、ホームページもできるだけ早くリニューアルしたいとのことでした。シンプルで大人っぽく落ち着いた感じ、その日に私が着ていた麻のワンピースのようなイメージで宜しくねって。

電車に乗って広告のフォントを眺めるのは楽しみのひとつですが、流行のちょっとゆるくて美しいフォントを使いたいなぁと常々思っていました。フォントが違うだけで、随分印象がかわります。
かしこまった明朝体とがっつりゴシック体、軽すぎるポップ体。既存のフリーの日本語フォントではなかなか、ちょっとのゆるさが表現できません。

春に思い切ってリース契約した、モリサワフォント。手持ちのバリエーションが増えて、シンプルなベースに新しいフォントが光るサイトになりました。
お気に入りで集めていたイラスト素材にもやっと出番が(笑)

欧文フォントについてですが、『フォントのふしぎ』(小林章著 美術出版社)という本があります。 高級ブランドはなぜ高級に見えるのか?といった切り口で、ヴィトンやゴディバやディオールのロゴなどを例に、フォントのあれこれを素人にもわかりやすく解説してくれています。多くの気づきがあり面白いです。形に興味がある人にお薦めです☆



家事は奥の深い仕事。
旧サイト、ミッシェルあざみ野店のHPにあった言葉です。

あらためて家事とはなんだろうと思いながら、サイトを作っていました。思うことの効果はすごいもので、少しばかり家も綺麗になり。。衣替えもスムーズに完了したのですが(笑)

楽ちんな人、しんどい人。。立場と環境と能力によって、家事の負担はそれぞれかと思います。大変な時は助けてもらうことも大事。家族がダメなら、モップさんに頼めばいいんだよね。
誰かのエネルギーを貸してもらうと、まるまるそのエネルギーをもらえてしまう気がします。まず自分が元気でいなければ。

だいぶ前に読んだ角田光代さんの『対岸の彼女』をひっぱり出してきて、もう一度読みたくなりました。

心機一転これからもどうぞがんばってください。
超高齢化社会の到来。。。これからは、足りないものを補い合う社会でないと成り立たない気がします...応援してます☆


※家事代行サービス 
ミセスモップ株式会社ホームページ
http://mrsmopsan.com/








2014年9月18日木曜日

子どもは声の文化の人。石井桃子さんの翻訳。



町田市民文学館の児童文学連続講座「石井桃子の翻訳はなぜ子どもをひきつけるのか」(全3回)を受講しました。
作家・編集者・研究者・実践者・翻訳家と多彩な顔をもつ石井桃子さん。なかでも翻訳者としての顔に焦点をあてて同名の本を出版された竹内美紀さん(フェリス女学院大学非常勤講師)の講座です。
子育て中に、息子さんから繰り返し読んでほしいといわれた本が、全て”いしいももこやく”だったことが児童文学研究の道に入るきっかけとなったのだそうで、政治学部卒で研究者としては異端者だとおっしゃっていました。母になってから子どもの本に惹かれた気持ちにはとても親近感を覚えます。

石井桃子さんの名訳の理由を3つのアプローチから考えるという内容で、第1回目のテーマは子ども読者でした。
子どもは文字がすらすら読めない。人生経験が少ない。時の認知の仕方など物事のとらえ方が大人と異なる(子どもは3歳~6歳ころまで主に空間の処理が発達し、10歳くらいにならないと時間を処理する部分が未発達で、過去・未来は心のなかでじゅうぶんにつながっていないそうです。)ことから、子どもの絵本の読み方は大人のそれと違うことを、講座では4歳から8歳の子ども向けに書かれたヴァージニア・リー・バートンさんの「ちいさいおうち」を取り上げ解説してくださいました。

バートンさんはかなりこだわって絵本を作った人で、いろいろな思いが絵本におりこまれています。講座ではタイポグラフィーに注目。

この絵本には文体が左寄せで曲線ラインを作っているページと、中心揃えでギザギザに作っているページと2種類あります。これを、都会がギザギザで、田舎が曲線ラインという解釈がされている本を昔読んだことがあり、私もなるほどと思っていたのですが、それはこの絵本の主たるテーマが環境破壊だと思い込んでいたからだと気づきました。よく見れば説明のつかないページが何ページもあり、竹内さんはその解釈に疑問を感じて調べられたのです。田舎と都会ではないのではないか?

この話は、長さでいえば7~80年くらいの経過を表した絵本です。時間の流れを認知できない子どもに、すべて時間を絵で表してみせているバートンさん。裏表紙にはアメリカ近代史とも思えるようなイラストが書かれていますが、対象年齢の子どもたちは、その時間の本当の長さを理解しません。子どもは皆、自分がちいさいおうち(主人公)になって、(都会へ)冒険し、また家(田舎)にかえってくる物語を楽しむのです。この子どもが行って帰ってくる話は、一番子どもを夢中にさせるストーリー展開で、バートンさんの絵本も、このパターンのお話が多いです。

そしてバートンさんがページごとに区別して書いたタイポグラフィー。竹内さんの見立ては、曲線ラインが昼。ギザギザが夜でした。昼なのにギザギザになっているページがありますが、これはちいさいおうちの視点に立ってみると、周りのビルが高くなりすぎて夜のように暗くなってしまったからだと。なるほどちいさいおうちが運び出されるシーンのページは、明るいところに脱出できたので、左寄せ曲線ラインに戻っています。

動かない家を主役にしている「ちいさいおうち」が、子どもにとっては行って帰ってくる話であり、作者と訳者が昼と夜を意識して区別しているという視点。。これは目からうろこの気づきでした。センダックの絵本にも描かれていますが、夜って子どもにとって特別なんですね。ちいさいおうちの気持ちはそのまま、ちいさい読者の気持ちになることを十分に考慮して、石井さんが工夫して訳していることもわかりました。講座では『声の文化と文字の文化』(w.j.オング 藤原書店)という本が紹介され、子どもはここに書かれている声の文化の人と、同じ感覚思考を持つと言われていたので、ちょっと読んでみたいなあと思っています。

「花子とアン」のドラマで、村岡花子さんが子どもたちと接する場面がたくさん出てきますが、実践者でもあった石井さんが、自宅を改築して開いたかつら文庫の詳細な記録、「子どもの図書館」は私の宝物になっています。バートンさんの「ちいさいおうち」を石井さんが翻訳し、「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」を村岡さんが翻訳する。この二人が家庭文庫研究会を作っていたこともあるんですね。年はひとまわり以上違いますが、ともに戦争を経験し、どうしたら平和に向かっていけるか、子どもに希望を与えられるか、いのちがけの仕事に尽力した軌跡に頭が下がります。

101年という長い一生ですが、石井桃子さんが世に送り出した子どもの本は、二百冊以上にもなるそうです。
「私がいままで物を書いてきた動機は、じつにおどろくほどかんたん、素朴である。私は、何度も何度も心のなかにくり返され、なかなか消えないものを書いた。おもしろくて何度も何度も読んで、人にも聞かせて、いっしょに喜んだものを翻訳した。」 (『石井桃子のことば』)

なかなか消えないもの・・・これがどれだけ大切か。
子どもが夢中になるのは当たり前かもしれません。

ランダムに読み聞かせをしていても、自然と読みやすい本が選別されていきます。今では表紙に瀬田貞二やく・石井桃子やく・渡辺 茂男やく と書かれているのを見ただけで、気持ちがぐっと入るようになりました(笑)力量のある翻訳者というのはすごいです。

竹内さんは石井さんの翻訳の特徴を『声』としています。
来月のテーマは「昔話と声の文化」です。楽しみです。。


今回の講座とは全く関係ありませんが・・・バートンさんは妻とは夫の陰にいて内助の功を果たすもの、という考え方の保守的な20歳も年上の夫と若くに結婚し、仕事がうまくいったことで夫との確執に悩む女性でもありました。フォリー・コーブ・デザイナーズを立ち上げ、女性の経済的な自立を目指しますが、一方夫にも家族にも生涯献身的に尽くし、完璧な主婦業をこなします。もちろんデザインにも一切手を抜かず。。。その徹底ぶりが痛々しくもあり、体力的にきつくて寿命を縮めてしまったのではと思ってしまうほどです。。。日本語版では消されていますが、ちいさいおうちの下にかかれたHER STRORYの文字、(Historyに対して書いたという)が、制約のあった時代を生きたバートンさんの思いを象徴しているようで、胸が熱くなります。





※町田市民文学館 児童文学連続講座
 『石井桃子の翻訳は、なぜ子どもをひきつけるのか』
  講師 竹内美紀氏(フェリス女学院大学非常勤講師) 
  9月13日(土)  第1回 子ども読者

『ヴァージニア・リー・バートン』
ちいさいおうちの作者の素顔  バーバラ・エルマン 岩波書店
『石井桃子のことば』 新潮社
『子どもの図書館』 石井桃子 岩波新書


 
 










2014年9月15日月曜日

カンガのことば


東アフリカの主張する布、カンガ展。
 カ ンガとは、東アフリカ、タンザニアやケニヤの女性たちに愛されている一枚布のこと。
柄が額縁のようになっているので、巻きつけたときに縁が決まってサマになります。
東アフリカの女性たちにとって、カンガは生活の中でなくてはならないもので、“揺りかごから墓場まで”とでもいえるくらい、カンガは女性の一生をあざやかに彩るそうです。

善良な人がいなくなったら、弱き者は苦しむもの。

愛は心の財産。けちってはいけません。

たとえあなたがいなくなっても私たちは忘れません。

贈り物はどんなものでも喜ばせる。

お母さんありがとう、神様が永遠の幸せを与えてくださるでしょう。

余裕のある人はパイナップルを食べるもの。

すねる人は恵みを得られない。

すべてカンガに書かれている言葉「カンガセイイング」です。
昔からスワヒリのことわざや、人生の教訓、愛のメッセージなど、女性たちは、自分の気持ちや考えをとくに主張したいとき、その気持ちにぴったりのカンガセイイングの書かれたカンガを着たり、贈ったりして、さりげなく自己主 張してきたのだそうです。 (※ポレポレHP参照)

この柄ちょっといいな~と思って手にとって言葉を探してみると
”嫉妬しても無駄です。何も変わりません との言葉....笑;
それから次々に布をとっては言葉を読むのが楽しくて・・カルタめくりのように遊んでしまいました。

リンデンさんに来ているお客さんは、カンガやアフリカの布が大好きな人たちばかりでした。こんなふうに使えるよ~といろいろレクチャーしてもらったりして楽しいひととき。色パワーのせいかみな明る~い!

いつかケニアに遊びにいける日を思い描いて...私もカンガを1枚買いました。




それには
 「人生は素晴らしい、しかし短きもの」

と書いてありました☆




 

東アフリカの主張する布、カンガ展

*カフェギャラリーリンデン
http://www6.ocn.ne.jp/~linden/index.html







2014年9月5日金曜日

琵琶弾き語り



8月31日、リンデンさんで室井三紀さんの筑前琵琶弾き語りを聴いてきました。
演目は、
小泉八雲の「雪女」
宮沢賢治の「風の又三郎」
小泉八雲の「耳なし芳一」

琵琶という楽器をみたのは初めてです。
琵琶はペルシャ周辺を発祥とした楽器で、奈良時代に渡来しました。
日本にわたってきて、飛鳥時代からその形はずっと変わっていないそうです。
背中あわせの2つの三日月と、ぐっと曲がった柄の形はとてもエキゾチック。
古いままで変わらないものもあるんだなぁ。なんだかそれだけで古代のロマンを感じてしまいます。

盲人が琵琶を弾いて、芸能や宗教祭事にたずさわるという習俗も合わせて渡来したので、日本での琵琶法師も、ふつう盲目なのだそうです。
芳一だけではなかったんですね。

琵琶法師はその昔、怨霊による祟りが畏れられた時代に、この世とあの世との境界に位置して自在に往還できる、シャーマン的力を持っていたのだとか。 「琵琶法師」ー異界を語る人びと(兵藤裕己)(←ちょっと興味があって図書館で借りてみました。)
小泉八雲の怪談・奇談に、琵琶がぴったりくるのはそういう歴史があるからなのか。

室井さんが弾いてくださった筑前琵琶は、大きい薩摩琵琶を女性用に改良したものだそうです。
琵琶も大正・昭和の初期には、人気があって1家に1台あったというのでちょっと驚きました。

古典以外に、演劇と琵琶の語りを合わせた、様々なジャンルの話に挑戦されている室井さん。
古典は琵琶にぴたりとはまって、私を昔々の情深い霊の世界へ心地よく引き込んでくれました。でもきっと、琵琶を今の時代に生かすには、古典だけでは駄目なんだろうな...
形は昔のまま、でも弾き語りは幅広く、その可能性を広げようとしています。

また、いろいろ聴いてみたいです。


※カフェギャラリーリンデン
http://www6.ocn.ne.jp/~linden/








2014年8月31日日曜日

キヨリガマ陶芸体験



先日、喜寄窯工房で、手ひねり陶芸体験。
かなな工房の敦子さんと、
手織り作家さんの三加さんと
3人で参加しました♪
初体験は私一人です;;

最初のこね、空気を抜くための「菊ひねり」
なんで菊ひねりというのかなぁと思ったら、美穂さんがこねると、
あらら。。どんどん菊の花びらのようになっていく...美しい。

こねた土の塊から、糸で使う分だけ切り取って、切り取った土を長い帯状にして輪にしたものを、底の円のふちに一段ずつ、積み上げてならしていきます。

しっかりとくっつけて、しっかりとならす。。。この繰り返し。できるだけ厚みは均一に均一に。。。美穂さんに魔法の手を入れてもらいながら、やっとこ完成です。

だいぶ大きくなっちゃって、丸っこい湯呑かスープ皿か?!!用途は出来てから決めたほうがよさそうな(笑) 自分の手を使って、ものを作ったのは久しぶりでした。カラカラだったところに少し水がはいったみたい。
工房には冷房がないというので連日のうだるような暑さに、汗拭きタオルを用意して覚悟していましたが、拍子抜けするほど涼しい一日でした。
工房を吹き抜ける風が気持ちよく、放課後いつまでも残っている学生の気分ではしゃいでました。

9月半ばに素焼きして、釉薬を塗り、再度焼いてもらって完成となるそうです。
三人三様どんな仕上がりになるのかな~。。。楽しみです☆


※喜寄窯陶芸教室
http://kiyorigama.com/lesson.html








2014年8月22日金曜日

もえぎ野web文庫のおススメ絵本




もえぎ野文庫は、もともと近所にあった文庫で子どもたちが小さかった頃によく利用していました。今はWebのみで、図書ボランティアの読み聞かせ本の記録をしたり、おススメ絵本の記事や子どもや本に関する近所の情報などを掲載しています。ホームページの作り方を学んで、私が最初に作ったサイトです。

月1回のおススメ絵本は、4年の間に56冊になりました。
まだまだ私自身は勉強中で、そんなに自信をもって良い読みが出来るわけではありませんが、東京子ども図書館で館長をされている松岡享子さんの著書「選ぶこと」に書かれていることをいつも胸に、活動しています。

人の話を採点しなければならなくなって、どんな点数のつけ方をするかと考えたときに、百点満点として、私なら半分の五十点をお話しの選び方、つまり話そのものが語るに価するかどうかにあてると思います。残りの三十点をその人の熱意が伝わっているかどうか、あとの二十点を語り方に配分するだろうと思います。八割がた話そのもので決まる、決めてよいと私は思うのです。。。。。。となると、お話を選ぶのは大変重要になります。

やっぱりそうか!と思ったのでした。プロではない親が読むならなおさらのこと。
自我をひっこめ、惚れ込んだ絵本に身をあずける気持ちで読んだ方が、絵本のよさはしっかりと伝わるような気がします。

森田さんはじめとするベテランのメンバーが選んだおススメ絵本。サイトの財産だなぁと思っています。本選びの参考に、是非のぞいてみてください。

※もえぎ野web文庫 おススメ絵本のリスト一覧
http://a-style.cocotte.jp/bookshelf.html