2017年11月15日水曜日

お家サロン レシエル



お家サロン、レシエルのホームページが完成しました。
サロンオーナーの仁科香織さんは同い年で
当時のママ友達のお友だちで、
会社員時代の同期のお友だちで、
ご主人が私と高校の同窓生で...と
共通のつながりがいっぱいのご縁です。
子どもたちが小学校に通い始めたころから、化粧品を購入させていただいていました。

何年前だったか、本格的にエステサロンをやると決め、自宅の和室を自身でサロン用の洋室にリフォーム。オールハンドのマッサージをずっと勉強されていて、練習させてねと私はおいしい役回りで綺麗にしていただいていました。

美容検索サイト、@cosmeに引き続き、ホットペッパーに掲載することを決め、あわせて一緒にホームページも作ることに・・・
ホットペッパーの撮影には私も立ち会い、横で写真を撮らせていただくことになりました。モデルはサロンのお客様で、元モデルさん。さすが、どの角度から見てもキレイな方です。化粧品の置き方を細くセッティングするプロカメラマンの仕事ぶりも見ていて大変勉強になりました。

オールハンドのフェイシャルエステ。
化粧品は取得した特許件数147件、植物研究のパイオニア、ノエビアです。
エステメニューのローズトリートメントは、7~8万枚もの花びらから得られる精油がわずか1gという稀少な花香の女王、ブルガリアンローズの入ったノエビア最高級化粧品を使用。肌への浸透のよさと、精油の深い香りが最大の魅力です。仁科さんの言葉を借りれば、『現実はへこんでいても、自分は幸せであるという気にさせてくれる力を持った化粧品』....お試しあれ(*^^*)

こちらで化粧品を購入することもできますが、エステをしたからといって、化粧品を買う必要は全くありません。かくいう私も、今は子どもたちにお金がかかりすぎるためお休み中。子どもたちが自立したら、また復活したいです。

お庭にあるレモンの木。
綺麗な黄色いレモンの実がなると、本当に美しいので
時期になったら写真を追加したいなーと勝手に思っています。

くつろげるお家サロンで、弱気な自分にご褒美を、笑。
きっと力もらえます☆


2017年11月6日月曜日

チラシ(DTP)制作

 近所の公園に秋明菊がたくさん咲いています。

葉っぱも綺麗に色づいてきました。
8月終わりから10月中旬まで、チラシ制作で大忙しでした。

HPと似ているようで違うチラシ制作。
苦手意識がありましたが、
次々に仕上がってくる紙チラシは、
手にしてみると思いのほか嬉しいものでした。

100枚1000枚単位で印刷されても、
私のところに送られてくるのはサンプル数枚だけ。
演奏会のその日まで、
1枚でも多く生き残ってくれますように
願いながらファイルします。

老眼に悩まされるこの頃ですが、
よく観察して見くらべて、
もっと違いに気づける目を養いたい。
まだまだ成長できると信じて...笑。


以下つくったもの一覧です。

*チラシ画像をクリックするとPDF画像にとびます。
 【佐藤康子作品集CD発売記念 二十五絃箏コンサートvol11】
2017年10月7日(土)求道会館。佐藤康子さんの11回目となるリサイタル。全曲オリジナルのCDも発売となり、温かい仲間に支えられて歩んできた10年間の集大成にふさわしい素敵なリサイタルでした。
プログラムには、いつも気づきの文章が添えられていて、演奏前から心をつかまれます。洒落たエッセイ集のようなプログラム。コレクションしているファンも多いのではないかな...。素敵な写真は新井真理子さん。新井さんには写真の配置デザインも考えていただいています。(チラシ・CDジャケット・プログラム・チケット制作)



 【齋藤真美 ピアノリサイタルⅢ】
2017年11月5日(日)齋藤真美さんの3回目のリサイタル。
繊細で音が美しい真美さんのピアノ。真美さんのリサイタルの後は、いつもにわかドビュッシーファンになるのでした☆ チラシは真美さんが作曲した曲、『仄見えるあかり』がテーマでした。制作前にたくさんのイメージを言葉にして送ってもらい・・それをまとめるのは容易ではありませんでしたが、真美さんの思いの強さが導いてくれたのか、ある日ちょっと雰囲気のある画面が出来て、一気に完成にたどり着けました。
写真は同じく新井真理子さんです。(チラシ・チケット・プログラム制作)



 【金子展寛箏リサイタルvol.1】
9歳からお箏をはじめて数々の受賞歴をもつ、若手のホープ。
自身でチラシを作っていたこともあり、苦労がわかるからでしょうか、出来上がりを手放しで喜んでいただけて嬉しかったです。背が高くて、お箏がよく似合う素敵な青年。男性のお箏というだけで、ちょっと聴いてみたくなりませんか?金子君は上手い!先生のお墨付き・・・来年の演奏会を楽しみにしているところです。 (チラシ・チケット・プログラム制作)



【第二十八回 野坂操壽リサイタル】
佐藤康子さんのチラシを気に入って、声をかけてくださいました。今の二十五絃箏を生み出した、箏奏者の第一人者。文化功労者として顕彰されています。見る眼があって、先生の好みやこの世界に詳しい佐藤康子さんに、たくさんのアドバイスをいただきながら作りました。チャーミングな笑顔で喜んでいただけて、ただただ感激しています。
来年NHKラジオで、「二十五絃箏の世界~箏曲の可能性を求めて」という番組が放送されるので、心して聴き、勉強したいなと思っています。(チラシ制作)





2017年8月19日土曜日

サロン・ド・ノビ― 

お盆休みから梅雨空のような空模様が続いています。

先週ホームページが完成したので、昨日埼玉県新座市野火止にあるヘアサロン、Nobee...にお邪魔しました。店長の須田さんは、溝ノ口のサロンで14年間勤務されていましたが、今春ご実家の近くでサロン・ド・ノビ―をオープン。義兄家族が十年来、信頼してお任せしている美容師さんです。

ホームページを作る際、最低1回は顔合わせをして、好みやイメージを伺いますが、その後はメールで店舗の写真や文章等のやりとりになるので、出来上がりが実際の店舗イメージ通りか、いつも気になります。

新座駅を降りて歩くこと7分くらいで、ぴかぴかのお店が見えてきました。
看板には・・・綺麗な字で「美容室しています」と...(笑)


狭いところへようこそ。。。! いえ、落ち着きます(*^-^)



先月カットしたばかりだったので、こだわりの、アッシュカラーとノーベル賞受賞成分が配合されているという最強トリートメントをしていただくことに。

トリートメントは、3工程ほどあってカラーとおなじくらい時間をかけます。
黒くて多くてうねっている三重苦の髪は、ハリのある素直な艶髪になりました。落ち着いているのにハリがある!アッシュ色もいい感じです。今はカット技術や薬剤なども進化していてすごいです。やっぱりいいものはいいんだなぁ。
シャンプーも頭のツボによく効いて気持ちよく、パソコン仕事の疲れもとれてすっきり。

元来めんどくさがりで半年に一回くらいしか行かなかったのに、白髪のおかげで?美容院に行く回数も増えました。肌も体型も年齢に抗いたいところですが;;実際おしゃれの費用対効果が高いのは、年をとるほど美容院なのかもしれません・・・


Nobee...という屋号は、地名、野火止から。。。
「野火止」という地名の由来は---ちょっとロマンチックなお話でした。

ーー 平安時代の初め、歌人・在原業平が、この辺りを治めていた藤原長勝という豪族の娘と道ならぬ恋に落ち、二人は野に火を放たれながら追われる身に。追っ手が片山の橋(新座市片山)の辺りで火をつけると、火は勢いよく燃え広がり・・・あわやというところ、切なる姫の願いが通じたのか、今の野火止辺りで不思議と火がおさまったということです。

Nobee...の’e’ふたつは恋人をイメージしているのだとか..*^^*
幼稚園と小学校のわんぱく盛りの男の子二人のお父さんでもある須田さん。
クールな感じだけど、地元にもご家族にもお店にも、内に秘めた熱い情熱がいっぱい☆


年配のご婦人、農家のおじさん、お子様連れの若いママさんと次々と来店してにぎやかでした。アシスタントの美しい奥さま(なっちゃん)は、バッサリと長い髪を切っていて、とてもよく似合っていました。お店の魅力は、なんといっても、気さくでおしゃれなご夫妻の温かいオーラです。

お店の50メートル手前には大きなマンションがあり、美容院の先には学校があって、夏休みでなければ学生さんでにぎわっている通学路沿い。

お店の前には大きな畑があり、立派に成長した里芋の葉っぱがこんもりと綺麗に立ち並んでいました。


野火止の夕方の空・・・須田さんが撮影した素敵な写真です。
あいにくの曇り空で見ることできませんでしたが、実際見たら綺麗だろうなぁ。

ホームページのイメージカラーは緑色で。
ロゴに葉っぱとかどうでしょう?
小さな四角がいっぱいのサイトに。
マップ自分で作りました、力作です!

・・・須田さんワールドに沿えるかなぁと、考えながら作る作業は、楽しいものでした。

緑豊かな地元で、最高に愛されるサロンに..!
カット写真はこれから少しずつ増える予定です☆

※サロン・ド・ノビ―のHPはこちら













2017年6月26日月曜日

マダガスカルの動植物 ~見る・聞く・触る「食と農」の博物館 

紫陽花が美しい季節になりました。

先週、マダガスカルの貴重な動植物が展示されている温室、「バイオリウム」を見学する機会に恵まれました。バイオリウムは、東京農大の「食と農」の博物館内にあります。 

馬事公苑の近く、農大前のバス停から歩いて3分ほど。すくっと立つ、ド迫力の鶏の像(タイ・ナレースワン大王由来の鶏)が見えたら到着です。


入り口を入ると愛らしいクリオネが、パタパタ熱烈大歓迎☆


バイオリウムはそんなに広くありません。マダガスカルの植物エリア以外に南米とアフリカ大陸のエリアもありました。

トゲや葉っぱがびっしり生えた多肉植物が中心、ユニークな表情をみせてくれる植物がいっぱいです。


食虫植物・・入ったら出られないよ;;

 

 
ワイヤー並みの太さで痛い・・・

 

マダガスカル産のバニラビーンズはうちにもありましたーーー バニラとコーヒーが特産品。
 

枝だけもの、葉っぱやトゲがびっしり生えたもの・・・

 

メキシコエリア。サボテンと奥は月下美人、巨大なアロエ


個性的な花々



水草から巨大な大木へと成長する。


シャンプーの木(ウンカリーナ)マダガスカルゴマ科の植物。葉っぱを水につけるとトロトロの液体ができ、髪の毛を洗うシャンプーとして使うことができるそうです。


おーーーい!   笑ってるような顔して...微動だにしない😆


マダガスカルにはここにしか存在しない固有種の動物がたくさんいて、動物学者や進化学研究家にとって研究対象が尽きない場所なのだそうです。

ワオキツネザル

ㇾムール(キツネザル)は原猿類(サルに進化する前の原始的な段階にある哺乳動物)で約30種類。大部分はマダガスカルにだけ生息。鼻がキツネのようにとがっていて、頭は良すぎず?人なつこい。キャッキャッと攻撃的で怖いサルのイメージとは大分違うようです。

バイオリウムには、縞々のワオキツネザルと無地のクロㇾムールと2種類いました。クロㇾムールには赤ちゃんが生まれていて、お母さんのお腹にしがみつく愛らしい姿をみせてくれていました❤ 過去には、ㇾムールが盗まれて「返してください」とテレビでお願いした盗難事件もあったそうです。

アフリカに近いのに、マダガスカルにはライオンやヒョウ、像、キリンといった大型の動物がいないというのも驚きでした。弱小動物にとって天敵のいない平和な楽園☆


眠そうなしかめっ面。全長5メートルはゆうにありそうな巨大イグアナが頭上に..大物感たっぷり!

この日は気温が低く動きませんでしたが、気温が上がると動きだし愛嬌があるそうです。。。降りてはこないのかな?放し飼いで檻には入っていません・・・^o^



大人も乗せてもらえそうな大きな陸ガメ。むしゃむしゃ・・お食事中。




ガイドツアー500円☆


古代魚のナイフフィッシュ。かわいい顔してます❤
古代魚類でも、生息地では普通に食されているそうです。小学生が餌の金魚をやる体験イベントなどもあり。

マダガスカルのすぐ近くのコモロ諸島の海では、今でもシーラカンスが泳いでいるそうですが、シーラカンスは剥製が展示されていました。


樹齢1400年の屋久杉の切株・・デッカイ!!




2階へ上がって常設展示のものを見学。

絶滅種を含む100羽はゆうに超える種類の鶏の剥製コレクション・・・壮観です。





一番大きいのは、史上最大の巨鳥、エピオルニスの卵。ニワトリの卵180個分。
マダガスカル最南端には、*エピオルニスの卵の分厚い破片が今も地層に残っているそうです。

館内のカフェでは、*エミューの卵でつくった生どら焼きが売っているそうなのですが・・大人気で現在品薄状態なのだとか。食べたかった・・・;;




農大卒業生の蔵元紹介・日本酒の瓶多数がずらり。右上の北日本から左下の南日本まで順番に並べられています。



古民家のジオラマ、実際使用されていた農工具の展示。

農工具のすべての採寸が事細かに記されている設計図が展示されていました。
大切な記録づくりがされていて感心しました。



虫が好きだと言ったら、標本室も見学させていただきました。

図書室のようですが、この本のようなのはすべて標本ボックス。いつどこで採られた蝶か、すべて分類されてズラリと並べられています。この部屋にあるのはすべて蝶のみ。他の虫はまた別の部屋に?!!・・・圧倒される量です。

特別にきらきらと光る綺麗な蝶をみせていただきました。

約2時間...今木先生には館内を丁寧にご案内いただき感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました☆


************

マダガスカルはアフリカのすぐ近くの島国で、日本の国土面積の1.6倍。

アフリカのイメージでしたが、もともとは海洋民族であるマレー系民族が移住してできた米を主食とするアジアの国。住民にアフリカの一部だという自覚はうすく、インド洋からアジアに関心が向けられている親日国だそうです。

時の流れを超越した祖先の島。
生きているものと先祖になったものとがひとつにつながる先祖崇拝の文化を持ち、我々の時間の有限性への認識とは全く異なる時間が、彼らの世界には広がっているといいます。

mora mora ムーラ・ムーラ、
ゆっくりゆっくり。
万事がゆっくりと、ゆとりをもって進行しているムーラムーラのくに。

--------- 『マダガスカルーアフリカに一番近いアジアの国』 前駐マダガスカル大使 山口洋一 サイマル出版



豊かな自然環境に恵まれた古い島マダガスカル、そこで生まれてきた生きものたちは、生物進化の謎を秘めた生き証人といえよう。
------ご縁のあった吉田彰先生の写真集『誰も見なかった楽園 ~世界野生植物紀行』

写真集には、植物たちがバイオリウムで見るのとはケタ違いの大きさで、大自然のなかそびえ立つ美しい姿がたくさん収められています。自生しているものは、色も大変色鮮やかであったり、怪獣ちっくなものもあって、巨大な植物の群生がかもしだす不思議な風景に圧倒されます。

病院で手にとってみせていただいた時、こんなスケールの大きい不思議な風景が、この地球上にはあるのだなぁと・・・先生が現地で手をいっぱいに広げられたであろう感動を想像して、元気をいただきました。

元気でいたらいつか行けるでしょうか。。。




バイオリウムで買ったバオバブの苗木(500円)

バラの木そっくり?

   おおい。 みなさん、 注意してください。
バオバブを 放っておくと、
とっても あぶないことに  なってしまいますよ。 
           
                    「星の王子様」




心して(笑)




博物館は入館料無料。
定期的に体験イベントや地域物産展などが開催されています。





小学生にはこちらもおすすめ。
バオバブの種類や利用法などが書かれていて大人も楽しめます♪
『マダガスカルのバオバブ 』
(たくさんのふしぎ2014年12月号)









2017年5月27日土曜日

絵本はここから始まった~ウォルター・クレインの本の仕事

千葉市美術館の「ウォルター・クレインの本の仕事」展に行ってきました。
ウォルター・クレイン(1845-1915)の原画140点あまりが展示されています。

千葉駅から徒歩20分。1時間に1本だけ駅までバスが出ています。
中央区役所と同じビルのなか、7階8階がギャラリー。


イギリスのヴィクトリア時代は、絵本の花が開いた時代でした。
「子どもたちには、最高の絵本を手渡すべきである」という意識がはじめて生まれた時代です。

モーリス・センダックによるとーーーー
ヴィクトリア時代というのは、印刷に関して実験が試みられ進展していく中に喜びがあった時なのです。この時、イギリスではじまりつつあった絵本現象にも関係することですが、職人の技と徒弟関係とが本当の意味で存在していた時代でした。私はこの時代をいつもこう思うのです。エネルギーが燃え上がるような噴出した時代であったと。まさにこの時代に、芸術と才能と経験がそこにあり、すべてが一同に集結し、爆発した時代であったと。(Victorian Color Picture Book)

当時彫版師は大変重要な仕事でした。木口木版の版木の上に画家が絵を描き、彫版師がその絵どおりに線や点を彫上げ、印刷台に版木を置いて機械でプレスする。この時代の絵本の絵を見るときに注意しなければならないのは、読者は画家の絵を見ているのではなく、その絵を彫版した人の技をみているのであると、正置友子さんは著書で述べています。ー『イギリス絵本留学滞在記』正置友子著

ウォルター・クレインは彫師・印刷師のエドマンド・エヴァンス(1826-1905)と出会い、二人で1865年から約10年間トイブックス(500円程度の絵本)製作に没頭しました。モノクロだった木口木版で、カラーの美しい絵本を子どもたちに作りたい・・・なんどもなんども実験を試みるエヴァンス。
少しでも安価にするため紙質を落とし、色数を落とし、色の出し方や効果的な見開きページの構図など、より美しくするための工夫をする。センダックの言葉を借りれば、まさに二人のエネルギーが燃え上がるように噴出して生み出されていったんだなぁ。そう思ってみるだけでどきどきする。

エドマンド・エヴァンスは研究熱心な彫版・印刷師であっただけではなく、優秀なアートディレクター・名絵本編集者でもありました。ウォルター・クレインがトイブックスから身をひいた後、エヴァンスはコルデコット(1846-1886)やケイト・グリーナウェイ(1846-1901)と引き続きトイブックスを製作します。才気あふれるコルデコットの絵本は十万部のベストセラーになり、ヴィクトリア時代最高の絵本を生み出しました。

展覧会では、コルデコットとケイト・グリーナウェイの原画も展示されていました。
クレインの作品を見た後でコルデコットの原画をみると、その違いもよくわかりました。洗練された軽やかさと動きやリズムを感じる線。カラーもより繊細に表現できるようになっていてページ数も増加、印刷技術の進歩が感じられました。
本当に見入ってしまって、あっという間の3時間。


私の一番好きな1枚。「ながぐつをはいたねこ」の一場面。
猫をもらった三男坊はクレインの自画像だそうです。
クレインは黒を印象的に使う浮世絵に惹かれていました。それで猫を黒猫にしたのでしょうか。私は実家で長いこと黒ネコを飼っていたので、黒猫をみると胸がキュンとしてしまいます。クレインの「ながぐつをはいたねこ」の復刻本は絵に惹かれて衝動買いして持っていましたが、原画に比べると英字部分は白抜だし、その魅力は到底及ばず。。原画欲しい(笑)


いつも病院近くの山にいるノラの黒猫❤

絵と文章とそして印刷技術によって完成する絵本は、どれか一つ欠けてもいいものができません。クレインの時代は、文章は既存の昔話やわらべうた(ナーサリーライム)、ABCの本などが主流でした。エヴァンス工房も息子の代になると、写真製版にとってかわり彫版師は不要となります。エヴァンスが試行錯誤した印刷技術の向上もむなしく職人の技術は衰退してしまいますが、絵本というメディアを確立し価値を高めた功績は大きく、現代につながっています。

彫版を考えて絵を描く画家と、印刷の仕上がりを頭にいれながら彫版し印刷する職人のコラボで生まれた絵本は、この時代だからこそ生み出された芸術作品であり貴重な文化財なのだなとしみじみ思いました。

絵本は高い額装に入る高価な美術品ではありません。
しかし長く読み継がれてきた絵本は、誰でも手にとって出会える身近な芸術品です。
子どもは可愛いし大好きだけれど、いい絵本に出会えなかったら子育てを楽しめたかどうか。。悩みばかりだったかもしれない(笑)
素敵な絵本を生み出してくれた偉大な先人たちにあらためて感謝しました。


『イギリス絵本留学滞在記』
正置友子 著 風間書房

前半は留学中のイギリスでの生活体験、
後半は印刷技術について、
木口木版と浮世絵の板目木版の違いなど
わかりやすく書かれていてとても勉強になりました。
クレインの絵についでも丁寧に解説がついています。




『センダックの絵本論』
モーリス・センダック著 岩波書店

知らないことがあると、すぐ調べるバイブルのような本。
批判精神も旺盛で的確で面白い。宝物です








寝過ごしもいれると、往復5時間・・・1日がかりでしたが、大満足でした。

展覧会は28日まで。
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2017/0405/0405_press.pdf