2017年6月26日月曜日

マダガスカルの動植物 ~見る・聞く・触る「食と農」の博物館 

紫陽花が美しい季節になりました。

先週、マダガスカルの貴重な動植物が展示されている温室、「バイオリウム」を見学する機会に恵まれました。バイオリウムは、東京農大の「食と農」の博物館内にあります。 

馬事公苑の近く、農大前のバス停から歩いて3分ほど。すくっと立つ、ド迫力の鶏の像(タイ・ナレースワン大王由来の鶏)が見えたら到着です。


入り口を入ると愛らしいクリオネが、パタパタ熱烈大歓迎☆


バイオリウムはそんなに広くありません。マダガスカルの植物エリア以外に南米とアフリカ大陸のエリアもありました。

トゲや葉っぱがびっしり生えた多肉植物が中心、ユニークな表情をみせてくれる植物がいっぱいです。


食虫植物・・入ったら出られないよ;;

 

 
ワイヤー並みの太さで痛い・・・

 

マダガスカル産のバニラビーンズはうちにもありましたーーー バニラとコーヒーが特産品。
 

枝だけもの、葉っぱやトゲがびっしり生えたもの・・・

 

メキシコエリア。サボテンと奥は月下美人、巨大なアロエ


個性的な花々



水草から巨大な大木へと成長する。


シャンプーの木(ウンカリーナ)マダガスカルゴマ科の植物。葉っぱを水につけるとトロトロの液体ができ、髪の毛を洗うシャンプーとして使うことができるそうです。


おーーーい!   笑ってるような顔して...微動だにしない😆


マダガスカルにはここにしか存在しない固有種の動物がたくさんいて、動物学者や進化学研究家にとって研究対象が尽きない場所なのだそうです。

ワオキツネザル

ㇾムール(キツネザル)は原猿類(サルに進化する前の原始的な段階にある哺乳動物)で約30種類。大部分はマダガスカルにだけ生息。鼻がキツネのようにとがっていて、頭は良すぎず?人なつこい。キャッキャッと攻撃的で怖いサルのイメージとは大分違うようです。

バイオリウムには、縞々のワオキツネザルと無地のクロㇾムールと2種類いました。クロㇾムールには赤ちゃんが生まれていて、お母さんのお腹にしがみつく愛らしい姿をみせてくれていました❤ 過去には、ㇾムールが盗まれて「返してください」とテレビでお願いした盗難事件もあったそうです。

アフリカに近いのに、マダガスカルにはライオンやヒョウ、像、キリンといった大型の動物がいないというのも驚きでした。弱小動物にとって天敵のいない平和な楽園☆


眠そうなしかめっ面。全長5メートルはゆうにありそうな巨大イグアナが頭上に..大物感たっぷり!

この日は気温が低く動きませんでしたが、気温が上がると動きだし愛嬌があるそうです。。。降りてはこないのかな?放し飼いで檻には入っていません・・・^o^



大人も乗せてもらえそうな大きな陸ガメ。むしゃむしゃ・・お食事中。




ガイドツアー500円☆


古代魚のナイフフィッシュ。かわいい顔してます❤
古代魚類でも、生息地では普通に食されているそうです。小学生が餌の金魚をやる体験イベントなどもあり。

マダガスカルのすぐ近くのコモロ諸島の海では、今でもシーラカンスが泳いでいるそうですが、シーラカンスは剥製が展示されていました。


樹齢1400年の屋久杉の切株・・デッカイ!!




2階へ上がって常設展示のものを見学。

絶滅種を含む100羽はゆうに超える種類の鶏の剥製コレクション・・・壮観です。





一番大きいのは、史上最大の巨鳥、エピオルニスの卵。ニワトリの卵180個分。
マダガスカル最南端には、*エピオルニスの卵の分厚い破片が今も地層に残っているそうです。

館内のカフェでは、*エミューの卵でつくった生どら焼きが売っているそうなのですが・・大人気で現在品薄状態なのだとか。食べたかった・・・;;




農大卒業生の蔵元紹介・日本酒の瓶多数がずらり。右上の北日本から左下の南日本まで順番に並べられています。



古民家のジオラマ、実際使用されていた農工具の展示。

農工具のすべての採寸が事細かに記されている設計図が展示されていました。
大切な記録づくりがされていて感心しました。



虫が好きだと言ったら、標本室も見学させていただきました。

図書室のようですが、この本のようなのはすべて標本ボックス。いつどこで採られた蝶か、すべて分類されてズラリと並べられています。この部屋にあるのはすべて蝶のみ。他の虫はまた別の部屋に?!!・・・圧倒される量です。

特別にきらきらと光る綺麗な蝶をみせていただきました。

約2時間...今木先生には館内を丁寧にご案内いただき感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました☆


************

マダガスカルはアフリカのすぐ近くの島国で、日本の国土面積の1.6倍。

アフリカのイメージでしたが、もともとは海洋民族であるマレー系民族が移住してできた米を主食とするアジアの国。住民にアフリカの一部だという自覚はうすく、インド洋からアジアに関心が向けられている親日国だそうです。

時の流れを超越した祖先の島。
生きているものと先祖になったものとがひとつにつながる先祖崇拝の文化を持ち、我々の時間の有限性への認識とは全く異なる時間が、彼らの世界には広がっているといいます。

mora mora ムーラ・ムーラ、
ゆっくりゆっくり。
万事がゆっくりと、ゆとりをもって進行しているムーラムーラのくに。

--------- 『マダガスカルーアフリカに一番近いアジアの国』 前駐マダガスカル大使 山口洋一 サイマル出版



豊かな自然環境に恵まれた古い島マダガスカル、そこで生まれてきた生きものたちは、生物進化の謎を秘めた生き証人といえよう。
------ご縁のあった吉田彰先生の写真集『誰も見なかった楽園 ~世界野生植物紀行』

写真集には、植物たちがバイオリウムで見るのとはケタ違いの大きさで、大自然のなかそびえ立つ美しい姿がたくさん収められています。自生しているものは、色も大変色鮮やかであったり、怪獣ちっくなものもあって、巨大な植物の群生がかもしだす不思議な風景に圧倒されます。

病院で手にとってみせていただいた時、こんなスケールの大きい不思議な風景が、この地球上にはあるのだなぁと・・・先生が現地で手をいっぱいに広げられたであろう感動を想像して、元気をいただきました。

元気でいたらいつか行けるでしょうか。。。




バイオリウムで買ったバオバブの苗木(500円)

バラの木そっくり?

   おおい。 みなさん、 注意してください。
バオバブを 放っておくと、
とっても あぶないことに  なってしまいますよ。 
           
                    「星の王子様」




心して(笑)




博物館は入館料無料。
定期的に体験イベントや地域物産展などが開催されています。





小学生にはこちらもおすすめ。
バオバブの種類や利用法などが書かれていて大人も楽しめます♪
『マダガスカルのバオバブ 』
(たくさんのふしぎ2014年12月号)