稲刈り・桜紅葉
月の秋・刈干し・赤まんま
秋麗・渡り鳥・残る虫
枯野の色・秋惜しむ頃・・・「里山のことば」今森光彦著
9月から11月にかけて計5回の区主催の散策講座に参加し、地元の里山の自然を学ぶ機会に恵まれました。
土地の広さに対して緑の占める割合を緑被率というそうです。人が住むのに心地よいと感じる緑被率は、最低でも30%必要なのだとか。横浜市全体の緑被率は28.8%。私の住む青葉区はぎりぎり30%です。(50年前は50%だから、だいぶ減りました。)
青葉区の緑のほとんが谷戸と呼ばれる地形だったそうです。谷戸には小川が流れ、人が田んぼと雑木林を作り、暮らしが営まれていました。人の手が入った里山には、様々な住環境が生まれ、豊かな生態系が育ちます。
産卵の時期で、寺家ふるさと村の田んぼには、トンボがいっぱい飛んでいました。
来春もし、この田んぼに水が入らなかったら、幼虫は羽化できずに死んでしまいます。
水が入ることをトンボは知っている?!
ちょっと感動します。
青葉区にある恩田や寺家ふるさと村は、ボランティアの人たちの尽力により、開発から守られてきた地域です。珍しい植物が生息し、夏には蛍が飛び、蛙の大合唱も始まります。近年は、農家の方だけでなく、ものづくりを生業とする若い人たちが、この豊かな緑のなかに工房・ギャラリー・カフェなどをつくり、楽しみに通う人も増えました。
懐かしい風景、残したい自然、美味しい地産、農業や自然保護に取り組む人たちの笑顔。
身近に当たり前にあったものを、まったく気にかけず生きてきてしまいました。
資源のない日本の経済にとっては、成長のために自由貿易は必須かもしれないと思ういっぽうで、農業が衰退してしまうと、国産野菜が食べられないとか、戦争がはじまったら困るとかだけでなく、日本の風景や生きものたちが変わってしまうのだなと、あらためて思い知らされました。
黒米の稲穂はやっぱり黒い。
生命の数に負けないほどの微細な宝石が、里山にちりばめられていることをうれしく思います。
「里山のことば」 著者・写真家の今森光彦さんのあとがきです。
こころが疲れていたからなのか
光とともにゆれる緑や小さな生き物たちに
たくさん元気づけられた秋でした。
だいぶ投稿するのが遅くなり・・・・;;
いつのまにかもう冬がはじまっています。
今森光彦さんの写真絵本
『おじいちゃんは水のにおいがした』
偕成社
琵琶湖にすむ今森さん。
漁師の三五郎おじいちゃんの当たり前でとびきり美しい自然に囲まれた生活を切り取っています。
水入れをした琵琶湖の棚田にいつか行ってみたい。
※もえぎ野web文庫